読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

鈴鳴カフェ

ポケモンの二次創作とオリキャラの小説を連載しています。

last soul 第21話

last soul

~何やら動き始めたようで~


「………そこ! 気ぃ抜くな!」
「は、はいぃっ!!」
ラグ先輩と短剣の修行を始めてから数日。相変わらず、私には進歩という言葉が存在しないのか、全く変化が見られない。これでも精一杯やっているつもりなのだが、先輩からすると、まだまだ未熟者らしい。
流石に本物の短剣で修行するわけにはいかないため、同じ重さのレプリカを使って、先輩と修行中。先輩は何も持っていない……つまりは、素手。素手といっても、先輩は私の技を受け流す時にしか使っていないけれど。
私はここだ、と決め、目一杯短剣で突いてみせる。
「…………っはあ!」
「だから……甘いんだよ!」
私の突きを受け流し、先輩は隙が出来た私のお腹に蹴りを入れた。これで何度目だろう。……慣れない、めっちゃ痛い。
「うあぁぁぁぁ!! 先輩、もっと優しくしてくれてもいいじゃないですかぁぁ!!」
「勢いは認めるが、隙だらけ。威力も甘いし、読みも駄目。おまけに最後はヤケを起こして、突っ込んだな? そこの馬鹿」
f:id:nyanco-sensei:20141209224757j:plain
淡々と私の欠点を上げていく先輩に一言も返す言葉がない。全くもってその通り。そっと目をそらそうとするが、睨む先輩がそれを許さなかった。
「…………これ、何度目の指摘だと思う?」
「あう……だって分からないんですもん」
「いいんだよ、別に。お前がそこまで俺の蹴りを受けたいんなら、何度だってぶちこんでやるよ。その内、手加減忘れて、お前の肋骨折るけど」
「ぎゃー!! ごめんなさいごめんなさい!」
冗談とは思えない、先輩の言葉を聞き、私は慌てて起き上がった。相変わらず、先輩は私に向かって冷たい視線を送っている。
「全く……覚える気ないのかね、お前は」
「わ、私はいたって真面目にやってるつもりですけど……」
「は? 寝言は寝て言え。流石に同じことを何十回も言っていたら、幼稚園児でも出来るぞ。お前は幼稚園児以下なの?」
「なっ! そこまで言うことないじゃないですか! こういうの初めてだから、よくわかんないんですよ!?」
「戦うって本能で出来るものだと思うんだけど? お前さ、仮にもポケモンだろうが。昔は戦うっていうのは日常茶飯事だったんだぞ? 学校で習わなかった?」
「うっ……それは~…」
確かに習う。習いました。今では、日常の中で戦い…バトルをすることは少ないものだが、昔ではそういうことをしていたのは知っている。歴史で習った………気がする。
「大体、今じゃ、技を使った戦い方をどこの学校だってやるんだろ? それなら、身のこなしもなんとかなるもんじゃないの? てんで駄目じゃねぇか」
「苦手なんですぅ! 体動かすの苦手なんですよ!! 体育の成績、アウトゾーンギリッギリだったんです!」
私と先輩の言い合いは私のカミングアウトでとりあえず止まった。しかし、この沈黙が痛い。
「うわあ……お前、なんでここにいるの?」
「知りませんよ。マスターに聞いてください。……私だって好きでこんなことやってません」
「俺だって好きでこんなことしてねぇし……ほんっと、なんでこんなことに…………なんて、今更言ったってどうにもならんしな。……はあ…ちょっと休憩にしよう。こんな状態でやっても効率悪い」
「…………はぁい」
私はそっぽ向いて会話もしなかった。もしかしたら……いや、もしかしなくても、先輩は普段通りなのだが、私がふてくされてるから、変な空気が流れている。
私だって、駄目なところは理解しているつもりだし、直したいとも思っている。しかし、どうにも体がついていかない。日常生活の中で使うようなことではないからか、イメージが湧かないのだ。
「武器持って戦うなんて……想像つかないもん…」
ただでさえ、運動出来ないのに、課題が山積みで心が折れそう。つか、すでに折れてるんだけど。
ちらりと先輩の様子をうかがうと、退屈そうに欠伸をしていた。そりゃ、やり手の先輩からしてみれば、こんなド素人の相手なんて退屈なんだろうけれど、こっちだって必死なんだから、欠伸とかしなくたっていいじゃないか……しかも、退屈そうに。
「ラグさん、いますか!?」
慌てた様子で修行場に入ってきた、コウくん。そんなコウくんを先輩は気にする様子はない。
「なんだ、紅火。宿題は手伝わんぞ」
「違います! そうじゃなくって、ノイズさん見ませんでした?」
「いんや。そもそも、今日あの人見てないし。何、ノイズさんに用でもあんの?」
「最近、あいつらがまた動き始めたらしいから、ノイズさんに教えようと思って」
あいつら……? あいつらって誰のことだろう。
「……なるほどな。でも、残った奴らってただの雑魚共だろ? そこまで危惧することか?」
「そうなんですけど、警戒するに越したことはないじゃないですか」
「ま、そうだけど。……とにかく、ここには来ていないから、大方、姉さんのとこだろうよ」
「えっと……そうか。もうそろそろか…」
全く話についていけてないないのがここに一人いるんだが。二人して勝手に話を進めるって酷すぎやしませんか。この感じなんだろう……あ、ハブられてる?
「あの、先輩? コウくん?」
「じゃあ、俺はそっちの方当たってみます。お邪魔してすいませんでした。では」
「おう。悪いな、任せる。情報は俺がやるから」
「はい。お願いします」
私の呼びかけに答えることなくコウくんは出て行ってしまった。先輩は先輩で何やら物思いに更け始めてしまった。
このボッチ感ヤバい。
「え~………先輩?」
私がもう一度先輩を呼んでみると、顔を上げ、私を見る。しばらく何かを思案するように見つめられ、やがて先輩の口が開いた。そこから飛び出したのは私が思いもよらない一言だった。
「サファ、今日はここまでにするから、もう家帰れ」
「えっ!? まだ早くないですか?」
「お前がいると邪魔。俺が動けない。つか、しばらく来んな。多分、俺も紅火もお前に構ってられない」
え…えぇぇぇ!? 意味がわからない。どういうこと? 先輩はともかく、なんでコウくんまで……?
「言ったからな。勝手に首突っ込んで、なにかあっても俺は責任取れん。じゃあ、そういうことだから」
どういうことだぁぁ!!
私が不満そうな顔でもしていたのだろう。先輩の溜め息混じりで至極簡易的な答えが返ってくる。
「ノイズさんが危ないんだよ。だから、お前は邪魔。来んな。帰れ。以上」



~あとがき~
新章? 突入? なのかな?
まあ、こっから長編になるかわからないけど、シリアス話いきます。今回はノイズさんにスポット当てます。なんでって言われても困るけど、まあ……流れ的に?

次回、帰れと言われたサファが取った行動は……? そして、肝心のノイズは何処へ!?

サファはいつになったら、強くなれるんでしょ。
運動神経ほぼ皆無といってもいいサファは生き残れるのやらですね。私の性格を知っている人はわかるかもですが、私、結構キャラをいじめるんで、酷い目にもかなり遭わせます。好きなキャラ程その傾向は強い。ヤンデレ的なノリで←
キャラ的にはいつどこで誰が死んでもおかしくないです。しかもこんな世界での話なので、なおさらです。主人公補正とかない。主人公は死なない原理とか知らねぇ((

また出てきました。お姉さん。ラグは姉さんって言ってましたね。以前はルピナがお姉さんって言ってたです。ちょっとずつ繋がってくるかな~?
まあ、勘がいい人、深読み出来る人には繋がりが見えてきたかもしれないね。はい。

ではでは。