鈴鳴カフェ

ポケモンの二次創作とオリキャラの小説を連載しています。

last soul 第12話

《この物語には死ネタ、暴力表現等の描写があります。閲覧の際はご注意ください》





~お買い物終了しました~


私が先に買って外に出てきた。お店を出ても、やはり沢山の人が並んでいた。今日、平日だったはずなのだが、この人の多さは異常な気もする。もしかすると、新しいケーキでも売っていたのだろうか? まあ、来たことがないから、知らないし確かめようがないけれど。
「平日だから、コウくんは学校かな。……そいや、リアルくんたちって学校行ってるのかな」
リアルくんは私とそこまで歳が変わらないように見えたが、シリアちゃんは私より年下だろう。それなら、学校へ行っているはず。しかし、ギルドにいるということは、私と同い年?
この国では、中学まで学校へ行けば、基本的に成人したと見なされ、仕事をすることが出来る。学歴が関係する仕事もあるが、普通は差額も大して変わらない。
もちろん、進学という手もあるが、それなりに勉強出来るお方でないと進むことは出来ない。私も一時期、進学という道に憧れを抱いていた頃はあった。が、学力的に無理だったため、今こうして働いている。
………あれ? これ、働いていると言えるのか?
しかしまあ、こんな制度が出来たのもつい最近だとか。私より年上……先輩より上の人達は学校すら通ってなかったと聞く。まあ、義務づけていなかっただけで、学校はあったから、勉強していた人はしていただろうし、出来る人は出来る。これが世の中なんだろう。……うん。
「なんで私の頃になったら、制度が変わったんだろ」
学力低下だろ。普通に考えて」
「!? せ…先輩……驚かさないでくださいよ。ビックリしました」
先輩の買い物が終わったのだろう。お店から出てきた先輩が私の横を通りすぎ、そのままギルドに向かおうとした。私は慌ててそのあとを追う。
「待ってくださいよ! というか、私の言葉は無視なんですか?」
「じゃあ、答えるけど、一人言言ってる方がビックリするし、怖いからな」
「う……だって、平日だなって思って、コウくんは学校だろうなって思ってたら……つい。……やっぱり、先輩、学校には通って…」
「通ってたわけねぇだろ、馬鹿」
ですよね。十年以上この仕事をやってるって言ってたもん。行ってるわけがない。
「あれ? それだと、先輩ってどこで勉強したんですか? してない……わけないですよね」
「周りに年上しかいなかったし、それにメイズさんいたしな。あの人から教えてもらってた。メイズさん、学校通ってたって聞くし」
おじさん、流石……
私の脳内で笑顔を浮かべるおじさんの顔が浮かんだ。侮れないな……おじさん。
「だから、生活する分には困らない程度の知識はある。……お前より頭はいいと自負してる」
「否定出来ない自分がいる……なんかそんな感じするもん。先輩ってIQいくつですかね」
「知らね」
そりゃそうだ。
しかし、おじさんの次に頭いいとしても、それでもかなり高い数値を指すのではないだろうか。まあ、この仕事でも色々あるんだろうし、それなりの柔軟な発想とやらが必要なのか。
私に柔軟な発想なんてないんですけど……
そんなことを考えていると、先輩が何かに気づいたような声を出し、その場に立ち止まった。それにあわせて、私も立ち止まり、先輩を見る。
「………あ、寄るとこあったの忘れてた。先、ギルド行ってろ」
「はい、わかりまし………って、私、どうやってギルドに入ればいいんですか?」
確か、地下のあそこに行くためには、パスワードと登録が必要だったはず。今まではコウくんやおばさんに開けてもらってたけれど……
「あ? まだ登録してなかったの? あ~……今の時間だと資料室にノイズさんいると思うから、開けてもらうついでに登録してもらえ。俺から連絡いれとく」
「あっ…はい! それじゃあ、ギルドで♪」
先輩は軽く片手を上げ、くるりと後ろを向き、歩いて行ってしまった。先輩の用事がなんなのか気になるところだが、深く追求するとまた睨まれるだろう。
よし、帰ろう!

ギルドに着き、先輩に言われた通りに資料室へと向かった。相変わらず人は少なく、多くの書物が綺麗に本棚に仕舞われている。こんな所だからか、自然と音をたてないように行動してしまう。といっても、入り口からほぼ動いていない。しかし、ここから見る限りノイズさんの姿は見えなかった。
本当は控えるべきなんだろうけれど、少しくらい声出してもいいよね……?
「えっと……ノイズさーん? い、いますか~?」
「ん………あ、ここだよ。サファ」
奥の本棚からひょこっと顔を覗かせたノイズさんが手を振ってきた。思ったより声量が大きくて驚いたのは、内緒の方向でいこう。
「お使いご苦労様。それでお目当てのは買えたの?」
「あ、はい! 途中で先輩見つけて、一緒に買いに行ってきましたよ♪」
「へぇ……ラグが女の子と買い物ね。というか、よく引っ張ってこれたな。嫌がってなかった?」
ノイズさんの質問に先輩と出会した場面を思い出してみた。あのときは、たまたま出会えたからだったが、確かに一緒に行こうと提案したときは、これ以上ないくらいに睨まれた。が、めげずに頼み込んだら先輩の方が折れ、今に至る。
結論、滅茶苦茶嫌がってました。はい。
「そうですね、嫌がられました。けど、頑張って頼んだら、渋々って感じでついてきてくれましたよ」
「ふーん。ラグって強引な人には押し負けるのか。……よくよく考えると、紅珠の押しにも弱いか。あ、けど、紅珠の押しに負けないやつとかいないから、比べようがないや」
おばさんの押し……まあ、マスターって立場も左右しているような気もしますが。
「んー……それもあるだろうな。けど、昔から気が強かったからね、紅珠。だから押しが強いのも昔から」
そう言えば、先輩がおばさんやノイズさん達が昔からの仲だったって聞いたっけ。
「さて。無駄話はここらへんで止めにして、ラグの言われた通りにしますかね~」
ノイズさんは手に持っていた本を本棚に戻すと、行こうか、と促した。私はそれに従い、資料室を出る。そして、ノイズさんを先頭に大分慣れてきた地下へと続く廊下を歩く。
「そいや、なんでサファって名前にしたの? 自分で考えたの?」
ギルドメンバーにはサファという名前を伝えただけで、他のことは全く教えていなかった。ここに来て聞かれるとは思っていなかったな。
「先輩が考えてくれたんです。目の色がサファイアみたいだからって」
「うわ~……ラグにしてはロマンチックなことを言うね。まあ、確かにそうだと思うけどさ」
「そ、そうですか?」
「まあね。けど、そうか……ラグがな」
どこかしみじみとしているノイズさん。そんなノイズさんの様子に私は首をかしげる
「………あ、着いた。ちょっと待っててな」
「あ、はい!」
部屋へと繋がる扉の前に着いたようだ。さて、買ったケーキを冷蔵庫に入れて、登録してもらって……で、何するんだろう。食べるの?
ま、いっか。



~あとがき~
食べられませんでした。
食べたかったです。……いや、食べさせたかったって言うのか? まあ、どっちでもいいんですが、やっぱり予定を飛ばしましたね。あれ、あてになりませんね! 私が言うのもあれなんだけどね! ごめんなさい。あれ、信用度低いんですよ。はい。

次回、食べ……………られないと思う。
登録して、ちょっと話してラグに視点置いたら終わる。多分。変わるかもしれないけど。

学校ってポケモンに必要あるんでしょうかね。
いや、わかんないんですけどね。
まあー……ラグとサファで制度が違うんですよってことで。え、頭のよさ? もちろん、ラグの方が上だよ!
サファは中の下ってところだろうか。
現在、ブラックのメンバーの平均年齢は結構低いです。
上は三十代。下で十代です。一番低いのは、紅火とシリア。次にリアル、サファ……までが十代ですね。二十代はラグだけで、三十代は残りのメンバーってことになる。
え、絵で見ると皆同じに見える?
…………うん、ごめんなさい。でもそういうことなのね。はい。
詳しい年齢はプロフを近々出すので、それを見てくれればありがたいです! はい。

最近、挿し絵を描くのが面倒になってきた……というか、なんも思いつかないんで、ないだけなんですけどね(笑)
また思いついたら描き始めまーす……ぶっちゃけ、ない方が進むんだけどね。当たり前か。

ではでは!