鈴鳴カフェ

ポケモンの二次創作とオリキャラの小説を連載しています。

last soul 第2話

《この物語には死ネタ、暴力表現等の描写があります。閲覧の際はご注意ください》





~新しい物を見ると、心踊ると思うんです~


「あの~……ラグ先輩」
「なんだ、シュラン」
いきなり呼び捨てかい。いや、いいんだけどね……年上みたいだし。……じゃなくて。
「私、全く理解できないんですが……つまり、どういうことでしょうか」
「言った通りの意味だが。……馬鹿だろ、お前」
あう。
一言一言にトゲがあるような……痛い。
しかし、ここで負けていては、世の中を渡り歩くことなんて出来ないだろう。ここは我慢して、大人しくラグ先輩のお話を詳しく聞こう。
「裏組織って何するんですか?」
「表立って出来ないようなことする」
「………それって…どういうことでしょうか?」
「だあぁぁ!? 察しろよ! めんどくせぇ! というか、お前がその仕事に就くかわかんねぇんだから、言うわけねぇだろ!」
ごもっとも。
知らぬが仏……という言葉もあるし、きっと知らない方が身のためなんだろうな。うんうん。
「ただ、ニックネームつーか、偽名は考えとけよ」
それも裏組織だから……ですか?
ラグ先輩はわかってるなら聞くな、と言わんばかりに見てきた。そして、そのまま黙って部屋を出ていこうとする。
…………ちょ、一人にしないで!
「取りに行く物があるんだよ。待ってろ」
あ、はい……
部屋を出ていき、ぽつりと取り残される。
いきなり、あんな人と一緒にされたあげく、ほったらかしって……ほったらかしって!
ここもどこだかわかんないし……図書室?
そこまで人の出入りは多くないものの、数人くらいは部屋にいる。当たり前だが、知っている顔はいない。
チラチラと見られている気がして、落ち着かない。別に悪いことをした訳でも、恥ずかしい訳でもないのだが、自然の俯いてしまう。
言いたくないけど、ラグ先輩……かむばっく。
ラグ先輩といえば……いつもあんな口調なのかな。というか、性格悪すぎだよ。
初対面の人に向かって馬鹿を連発とか……そりゃ、頭がいいとは言えないけど、限度ってものがあるでしょ。そもそも、初対面だよ。初対面。
それなのに全く優しくない。やる気なし。教える気、絶対にないよ。
「悪かったな。優しくなくて、やる気もなくてよ」
「うわあぁぁぁぁ!? お、おどかさないでくださいよぉ……ビックリしたぁ…」
「勝手に驚いている奴が何言ってんの? 大体、一人言言ってるお前が怖いわ」
お…おっしゃる通りでございます……はい。
ラグ先輩は抱えていた箱を机の上に置いた。恐らく、取りに行った物とは、この中にでも入っているのだろう。何が入っているかは知らないが、いいものでもないかもしれない。
「とりあえず、ここのギルドに入ることになるんだろ? どんな仕事をするかは知らんが、必要最低限の道具が入っている」
「ほへー……?」
「スカーフと証明証……あと、靴と手袋だな。靴と手袋にいたっては、別にしなくてもいい。……が、している奴らがほとんどだから、浮きたくなけりゃしとけば?」
あ、はい。ご丁寧にどうも……
それって遠回しにしておけってことなのでは。まあ、先輩とかマスター見たときから気になっていたし、するけどね!
私はラグ先輩が持ってきてくれた箱から、物を取り出し、身に付けてみる。
白のスカーフに濃い青色の靴と手袋。そして、証明証と言われた、ペンダントを首にかける。
大した装飾はない。いたって普通のペンダント。
スカーフで見辛いが、先輩も首からかけていた。証明証と言うのだから、何かを証明するための物なのだろう。それが、自分のことなのか、ギルド加盟者のことなのかは、わからないが必要な物であることには変わりはない。でなければ、ラグ先輩が持ってくるはずがないと思う。
全てを身に付け、くるん、と回ってみた。
こういうのってテンション上がる……!
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「ほわわ……!」
「………何浮かれてんだか。ガキかっつーの」
先輩の呆れたような声が私を刺す。ついでに目付きも冷たい。
い…いいじゃないか……別に……!
「じゃあ、マスターのとこに戻るぞ」
「ふぁいっ! えっと……仕事の話とか質問とかは……?」
「俺、これから仕事あんだよね。質問とか仕事の話は明日にしろ。つか、俺に聞くな。めんどくせぇ」
最終的に投げやがった……この先輩。
でも、仕事があるなら、邪魔しては悪いとも思う。浮かれている場合でもないし、さっさとマスターのところに戻ろう。それに、これ以上、先輩を苛立たせてもいい方には進まない。これだけはわかる。絶対に進まない。
「行くぞ」
「あ、はい! って、待ってくださいよ! ラグ先輩、速いですって!」
どれだけ早く終わらせたいのか、スタスタと先に行ってしまう。建物の中だから、迷うこともないし、見失うこともない。しかし、追いかける身にもなって欲しい。
まあ、ラグ先輩はかなりのベテランさんみたいだし、私みたいな新人と、一緒に仕事する機会はないんだろうけど。でも、何か嫌な予感がするのは気のせいでしょうか。
気のせいであって欲しい………うん。



~あとがき~
新人さんとして準備が完了したシュランちゃん。
相変わらず、やる気の見られないラグ先輩。
こんな感じでゆるゆると進むのかと思うと……うん。
ま、楽しそうで何よりっす。はい。

次回、マスターである、紅珠さんの元へ!

いい加減、シュランではなく、サファって呼びたいです。そっちが本命なのだ。うんうん。
ラグはラグでいい。本名は……わかるよね。紹介見てくれれば、わかるよね! はい、そうです。ガロンです。
込められた意味は特にない((
もう少し主要メンバーがそろったら、きちんとしたプロフを出しますね~♪ もう少しお待ちを!

そしてこちらは、出来たら出す。出来たら出す。を繰り返します。ストックとかしないつもりなので、早いときは早いです。が、遅いときは遅いです。
遅いときは主に挿し絵待ちかな。もしくは、気力がないとか。
そしてこちらは、私がテスト期間だろうが出来たら出します(笑)
実際、テスト一週間前きってますしね。
まあ、そんなに頻発するものではありませんけどね。
息抜きに書いているので、あんまし進みませんが、よろしくです。
要は、メインブログである、『satomiのきまぐれ日記』とはちょっと違いますってことですね。

ではでは!